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  @ 魅力あるテナントは発言力も大
  本件のテナントは、全国規模のS社。若者向けのゲームや映像等のレンタル業で業績は
極めて順調。同社が新潟県某市で借りている200坪弱の店舗の家賃を10パーセント引下
げしたいという案件でした。
オーナーAさんは飲食店経営が本業ながら、最近は営業が振るわず。銀行借り入れの返
済や地代支払いもあって生活に影響すると言って回答は全くのノー。
しかし、過去10年間の周辺地価は約40パーセントのダウン。加えてS社店舗の集客力は
高く、万一にも同社が撤退すれば周辺の賑わいは間違いなく急速に低下。
過去一度も家賃引下げをしたことのないAさんとしては、その2点を言われてやや軟化。
しかしAさんの生活のこともあるので双方歩み寄りし、最終7パーセント引下げで解決。
本件は、S社のテナントとしての魅力が大きくモノを言った事例でしたが、オーナーと
テナントの力関係が結果を左右することがあるのは否めません。
 
 

  A 骨の折れる複数オーナーとの交渉
  東京に本社のある電化製品販売業P社の静岡県某市郊外店、約700坪の地代案件です。
地主は農業を営む6人の皆さん。それぞれ比較的高齢なこともあり、地元農協の若い担
当者が取りまとめ役として加わりオーナー側は団体交渉の体制ながら発言は農協職員
が主体。個々には100坪前後の土地とはいえ生活には影響する、と猛反発、時間がかか
りました。
しかし、P社としては競争激化の煽りを食って自社の業績が急速に低下していることと、
地方店の存続可否につき本社が検討を進めていることを丁寧に説明。
話し合いの何度目かに、地主さんの中で物分かりの良いBさんという人が、やおら、P社
さんとはある意味で運命共同体、長くお店として使って貰ってもいることだし半分くらいは
聞いてやろうではないか、と発言してくれたことで急速に流れが変わり、結局その線で落
着しました。
終わった時には、なんとなく双方ともが仲良くなった感じで、当社がいつも気にかけている
WinWinの雰囲気でした。時間はかかっても丁寧な説明に徹したことと、Bさんの存在が大
きかった事例でした。
 
 

  B 保証金の返還に切り替えて成功した例
  東京の台東区にある9階建ての細長いビル1棟を物販会社T社が1〜4階は店舗、その上は
事務所として長年使用中、9階はオーナー居宅です。
ビルは築後25年と古く、OA対応もままならぬ状態、しかしアクセスは良く地下鉄もJRも
駅はすぐ近く。オーナーのCさんは個人。いかにも江戸っ子らしい頑固親爺です。
業績のやや落ち目のT社は経営の実情につき数字を見せながら説明し、15パーセント
の家賃引下げを要請。しかし、Cさん曰く――冗談じゃない、周りの家賃も地価もみんな
上がっている中で何が引下げだ、逆に来年から上げたいと思っていたのだ、と全く譲って
貰える気配はありません。
T社は主張しました――しかしですよ、失礼ながら細長くて使いにくいこの建物1棟を、長年
不満一つ言わず、家賃だって一度として遅れたこともなく使って来ているのですよ、たしか
に便利な立地ではありますが、新しい建物とは条件が違います、家賃が上がっていると言
われているのはもっと都心で最近出来た大きなビルが中心であって、前からの建物は決し
て上がってはおらず、テナントが出て後が決まらずという所は都内でも結構あるようですよ、
と。そして、さらに、こう言ってみました――家賃の引下げが難しいならお預けてしている保
証金の一部を返還して貰えませんか、入居時お預けしたのは2億円、当時は保証金の水準
が高かったけれど最近はそれも少なくなっています、Cさんは堅実だから他に運用してなく
なっているなんてこともないでしょう?と。
Cさんは1ケ月後にこう言ってくれました――分かった、税理士とも相談したが、家賃は気持
として3パーセント引下げし、保証金の内8千万円は返還しよう、ただしその内4千万は半年
毎分割2年払いにしてくれ。
T社としては目先の家賃がほとんど下がらなかったのは不満ながら、保証金の返還で資金
繰りが好転し少しは仕入れも楽になる、それに加えて、あの親爺、いかにも江戸っ子だなあ、
こちらの気持を理解しようとしてくれるところが良い、使い勝手は悪いけどこれからも居させ
て貰おう、と喜んでいました。
 
 

  C 難しさを伴うサブリース案件
  東京大田区にあるオフィスビルの2フロア計300坪をH社東京支社が入居中、賃料10パー
セント引下げのお願いでした。
これはサブリース案件で交渉の相手は真のオーナーK氏ではなく中に立つデベロッパーの
Z不動産。しかしZ不動産も一種の賃借人。しかも不動産業務のプロ。
交渉は難航続き。Z社の担当者は言う――ご存知のようにサブリースは借地借家法32条
になじむかどうかという法律上の議論もあるところだし、自分のところは板ばさみと薄利し
か得ていないという立場、オーナーは当初の家賃保証の約束にこだわって絶対に譲らな
い人、勘弁して下さいよ、と。
しかし、H社としては、釈迦に説法で申し訳ないが、物件の賃貸借というものは長い関係
であってその関係維持こそが重要、当社経営の実情をオーナーのK氏に伝えて頂くと同時
に、Z社としてもいくらかの譲歩をして欲しい、と強く主張。
さらには、最近10年間の地価推移グラフを示して、最近こそ都内の地価は反転の傾向だ
が10年とか15年のタームで見れば2割3割は下がっている、そんな中こちらの家賃は一度
として下がっていない、建物だって償却が進んでいるはず、その辺をよく説明して欲しい、
と。その後、何度かの行き来がありましたが、Z不動産も誠実に行動してくれ、満足のいく
形ではなかったものの、オーナーのK氏もZ社もそれぞれが少しずつ泣いてくれました。
サブリースの話は難しいが、“要求なくして改善ナシ”ということもたしかに言える、と実感
した案件でした。
 
 

  D 民事調停は決して難しくない
  これは、埼玉県某市にある小型スーパーJ社社長から当社主催の賃料セミナー終了後に
相談を受けた話です。
がめついだけが取りえの?オーナーG氏とは、入居以降十数年来、家賃を上げろ、下げろ
でモメ続き、ここ数年は家賃の問題から発展して、盆暮れの挨拶がないの、店に電話して
も店員の愛想が悪いの、と関係ないチャチャばかり、しかし契約の残存期間はまだ5年も
残っており途中解約して撤退するとペナルティが馬鹿高い、こちらとしては周辺相場から
3割くらいは家賃を下げて欲しいのに、それを言うと向こうは最近の賃料動向から逆に3割
上げたいと言って来る始末。しかも最近は顔を見るのもイヤだ、電話で話すのもイヤだと、
やりとりはすべて文書、どうしたものだろうか、という相談でした。
当社は、その翌日、長くお世話になっているK不動産鑑定事務所へJ社の社長をお連れし
て話を聞きました。
K先生曰く――調停に持って行きなさいよ、そこまで双方が感情的になっていては常識的
な数字の解決は無理、賃料程度の問題ならば弁護士を立てる必要もなく、物件所在の簡
易裁判所で誰でも簡単に手続きが出来、申立書の記載も簡単、あなたの方の要請の根拠
的なもので例えば周辺地価の推移とか近隣類似店舗の募集事例とか、それに数字で示す
ことはないけれど建物だって古くなっているでしょう?
そういうことをオーシャン・ワイドさんと相談しながら整理して申立書に添付しておけば良い
ですよ、借地借家法は賃借人の味方だしそれに沿った根拠的なものを揃えることです、申
立ての手数料も安いですよ、と。
この話は、結果として、当社サービス業務の一環となり、J社社長には感謝されました。
   
 
   
   
   
 
   
   
   
   
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